令和元年9月2日(月)に、教育・研究における男女共同参画及びダイバーシティを推進することを目的に小白川キャンパス「男女共同参画推進講演会」を開催しました。
参加者は37名です。学内35名に加え、大学コンソーシアムやまがたのご案内により学外から2名の参加を得ることができました。
第1部の講演会では、山形市男女共同参画センター所長 草苅早苗氏と山形市教育委員会学校教育課指導主事 澤村啓氏のお二人を講師に迎え、山形市における男女共同参画の取り組みと山形市の学校におけるLGBT対応についてお話いただきました。山形市では今年3月に「山形市職員・学校教職員のためのLGBT対応サポートハンドブック~違いを理解し認め合うまち山形を目指して~」を発行し、今年度は山形市職員を対象に研修会を開催予定とお聞きしました。その後は市立学校教職員を対象に研修を実施する計画です。山形市は「男女共同参画都市宣言」を行ったのも全国的に早い時期であり、このたびのガイドブック作成も全国に先駆けての事業となっています。
参加者からは、「LGBTに向き合うための基礎を学ぶことができた。」「具体的なケース対応、エピソードがあると参考になる。」「行政の姿勢を知ることができてよかった。なんといっても広く社会に啓発することがまずは大切だと思うので、山形市の姿勢と取り組みに勇気づけられました。」という感想をいただきました。
第2部は、「大学におけるLGBT対応~違いを理解し、認め合う教育・研究をめざして~」をテーマに研修を行いました。はじめに本学男女共同参画推進室のチーフコーディネーター 井上榮子氏から、男女共同参画フェスタでのポスター展示、LGBT相談窓口の設置、誰でもトイレの設置など山形大学におけるLGBT対応の現状報告をお聞きしました。
続いて、大学における今後のLGBT対応についてグループワークを行いました。どの班でも話が途切れず情報交換を行うことができ、大変有意義な研修会となりました。「具体的な現状データがあれば示してほしい」という声もありました。現時点で現状把握は難しく、困っている学生がいるということを認識して相談しやすい環境を整えていく必要があるでしょう。講演後のワークショップを行う研修会のスタイルについては、アンケート回答者の約6割から賛同を得ることができ「いろいろな事例を聞くことができた。自分でどのようなことができそうなのか考えるきっかけになった。」「皆さんの意見を伺えて参考になりました。」というご感想をいただきました。
最後に、セクシャルマイノリティの研究がご専門の人文社会学部池田弘乃先生からはご助言とLGBT当事者を招いてのカラフルカフェ開催(学内にて毎月一回)のご紹介をいただきました。
今回はLGBT対応をテーマとした初めての研修会でしたが、多数参加していただき、研修会後もこの話題で意見を交わす場面がみられ、タイムリーな内容だったと好評でした。当事者の話を聞く機会があるとよいなどのご意見をいただきましたので、今後の企画の参考にさせていただきます。現在、山形大学男女共同参画計画(第2次)で検討中であり、この研修が大学としての組織的な取り組みにつながることを期待したいと思います。
(報告 石垣和恵)
山形市男女共同参画センター
所長 草苅早苗氏
山形市教育委員会
指導主事 澤村啓氏
講演後の活発な質疑の様子
男女共同参画室
チーフコーディネーター
井上榮子氏
人文社会学部
池田弘乃氏からの助言